ウォーキングダイエットで痩せない人が見落とす歩き方の落とし穴

「ダイエットのために毎日30分歩いてるのに、全然痩せないんです…」
「むしろ太ももが太くなった気がして」
これ、実は私のレッスンに来られる方からいちばん多く聞く声なんです。

こんにちは。
歩き方コーチの犬飼奈穂です。

私は「胸を張らず」「余計な力を込めず」「筋肉をゆるめて楽に立って歩く」ウォーキング指導をしています。

これまで、猫背・巻き肩・反り腰・脚太り・下腹ぽっこりなど、姿勢や体型の悩みを抱える多くの女性にレッスンしてきましたが、そのほとんどが「歩き方」によって本来の自分の美しさを隠してしまっていたんです。

そして驚くことに、正しく歩き直すだけで、体型も変わり、気持ちも前向きに変化していく人がとても多いんです。

ウォーキングで痩せない原因は歩き方にある

そもそも、歩くこと自体は人間にとって当たり前の動作。
でもその「当たり前」が、いつのまにか崩れてしまっている人が本当に多いんです。
たとえば、

背中が丸まったまま歩いている
膝が曲がったままペタペタ歩いている
腰が反っていて、前ももばかり使っている

こういう姿勢や歩き方でいくら歩いても、筋肉や関節に負担がかかるだけで、脂肪はなかなか燃えてくれません。

むしろ、「なんだか脚が太くなってきた」という現象すら起こってしまうのです。

脂肪が燃えにくい歩き方の共通点

脂肪が燃えにくい歩き方には、いくつかの共通点があります。
それは、筋肉をガチガチに固めたまま歩いていること。

「姿勢よくしなきゃ」と思って、胸を張って歩く人も多いのですが、実はそれが落とし穴。
胸を張ることで背中や腰に余計な力が入ってしまい、肋骨が前に出たり、骨盤が傾いてしまいます。

そうすると、体は本来のバランスを失い、歩くたびに太ももやふくらはぎがどんどん太くなる歩き方に。

実際、以前レッスンに来られた30代の女性も「毎日1万歩歩いてるのに、どんどん脚がたくましくなってる」とお悩みでした。

彼女の歩き方を見てみると、足先だけで蹴るように歩き、上半身はガチガチ。
1時間のレッスンで体をゆるめ、骨で支えて歩く感覚をつかむと、自然とお尻やお腹が使えるようになり、歩き終わった後の疲労感が激減していたのが印象的でした。

痩せ体質をつくる歩き方のポイント

では、どうすれば「脂肪が燃える」「引き締まる」歩き方になるのでしょうか？

ポイントは、筋肉をゆるめることから始めること。

え？筋肉を使うんじゃないの？と驚かれるかもしれませんね。
でも、まず無駄な力を抜いて、本来の骨格バランスに戻すことが、痩せやすい体づくりのスタートなんです。

私がレッスンで伝えている基本はとてもシンプル。

まず立ったときに、足裏の3点（土踏まずの前・かかと内側・小指側）にバランスよく体重が乗っているか確認
背骨をひとつずつ積み木のように重ねるようなイメージで、スッと立つ
肩の力を抜き、腕は後ろに振る
みぞおちから脚が生えているような感覚で、腰よりも胸を軽く前に倒して歩く

これだけで、太ももに頼らずにお腹・お尻・背中のインナーマッスルが自然と働き出します。
つまり、歩くだけで全身のバランスが整い、代謝も上がりやすくなるんです。

歩き方を変えるだけでダイエット効果が高まる

実際に私のレッスンを受けた方のなかには、食事も運動量も変えていないのに、姿勢が整っただけで2週間で下腹がスッキリしたり、「久しぶりに会った友達に痩せた？って聞かれた！」という方も。

歩き方って、本当にあなどれません。
そして何より、体の緊張が抜けると、心までゆるんで明るくなっていく方が多いのです。

だから私は、ただ「痩せるため」じゃなく、「自分を心地よく生きるため」にも、歩き方を整えることをおすすめしています。

もしあなたが「頑張ってるのに変わらない」と感じているなら、まずは自分の歩き方を少し観察してみてくださいね。
きっとそこに、あなた本来の美しさを取り戻すヒントがあります。

PROFILE

犬飼奈穂「しんどい」を「楽しい」に変える歩き方コーチ。愛媛県松山市出身、在住。

大学卒業後、銀行勤務を経てMCとして活動中、10kgダイエットしても細くならなかった下半身が、普段の歩き方を見直したことで細くなりパンツはLLからMにサイズダウン。
肩こりや腰痛などの不調も改善、自己肯定感がUPした体験をもとに、ウォーキング講師として活動をスタート。

全国・オンラインで歩く楽しさを伝えている。10年で延べ7,000人に指導、セミナー開催は1,000回を超える。
モットーは何事にもチャレンジ精神で臨み、前向きにとらえて実行にうつすこと。

2023年1月「背中をゆるめると健康になる」（プレジデント社）出版。
歌うゆずが大好きで、趣味はギター弾き語り。